イタリアの白ワインの特徴 和食とも合わせやすい軽やかさ
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イタリアの白ワインの特徴
ブドウ品種のバリエーションが豊富
イタリアの白ワインは、とにかくブドウ品種のバリエーションが豊富です。
ヨーロッパ全土の中でも比較的古いブドウ栽培・ワイン造りの歴史を持ち、しかも近代まで地域ごとに分断されていたイタリアでは、世界的に類を見ないほど多くの品種のワイン用ブドウが栽培されています。
黒・白・灰を合わせた品種総数は1000とも2000とも言われ、比較的多く利用されている品種だけに絞っても軽く百種類以上!
ワインは原料となるブドウの特徴によって味や香りが大きく左右されるので、ワインそのものも同じくらいバリエーション豊かであるといえます。
さすがに日本に輸入されているワイン、それも特にメジャーなものに限ればそんなに多くはないので、初心者のうちに選び方で困る心配はありません。ですが、深く知ろうとすると底なし沼のような奥深い世界が待っているのがイタリアの白ワインなのです。
地形が変化に富むのでワインタイプも様々
イタリアの白ワインは、変化に富むイタリアの国土と同じように様々なタイプのものがあります。
イタリアの国土は、地中海へブーツのような形に突き出したイタリア半島と、大陸側の高い山脈に囲まれた平地で構成されており、海岸あり、急な斜面あり、丘陵地帯あり、平地ありと非常に変化に富んでいます。
そのため、同じイタリアの産地でも、場所によって降水量や気温・湿度の変化、地質、日照時間など、ブドウの性質に大きな影響を与える環境条件(テロワール)が大きく異なります。
また、歴史的に都市や地域で分割されていた期間の長かったイタリアは、比較的細かい範囲ごとに別々の文化を持っており、これがワインの方向性を決定しているケースも少なくありません。
その結果、「イタリアの白ワイン」とひとくくりで説明するのが困難なほど、多種多様なタイプのワインが造られているのです。
生産量の偏りもあって、平均的にはフレッシュなタイプ、早飲みタイプを多く目にするイタリアの白ワインですが、じっくり時間をかけて探せばどんな人でもきっと好みのタイプに出会える産地だといえるでしょう。
- ブドウの育つ環境条件(テロワール)がワインに与える影響について詳しく知りたい方はこちら
- 関連記事:テロワールって何のこと?
ヨーロッパの産地の中では低価格帯の層が厚い
ヨーロッパの他の主要なワイン産地と比較すると、イタリアの白ワインは低価格帯の商品が非常に多くなっています。
19世紀に半ばに統一を果たした後のイタリアは、それ以降1970年代頃まで「質より量」のワイン造りを行っていました。
また、品質向上の動きがスタートした後も大量生産が中心だったシチリア州、プーリア州など南部地域では、赤ワインよりも白ワインが多く造られています。
そのため、高級化が進みつつある赤ワインに比べ、白ワインは現在でもカジュアルな低価格製品が多くなっているのです。
現地では1リットルあたり100~200円で、水よりも安く量り売りされていることも。
日本ではそこまでの廉価な銘柄は見ませんが、1本数百円のボトルでも比較的バラエティに富んだラインナップから選ぶことができるようになっています。
イタリアの白ワインに使用されるブドウ品種
トレッビアーノ(Trebbiano)
イタリアの、特にお手頃価格の白ワインに多く使われている白ブドウです。フランスではユニ・ブラン、もしくはサンテミリオンと呼ばれます。
温度や日照が不足すると、酸味ばかりが強く薄っぺらい味わいになってしまうため、単独でワインの原料となることはほとんどありません。(フランスではブレンド用か高級ブランデーの原料となります)
しかし、温暖なイタリアでは十分な熟成が得られるため多くの銘柄で単独で使用され、みずみずしい酸味と軽い飲み口のおいしい早飲み系白ワインのブドウとして親しまれています。
- おすすめワイン
- ・ベラノーヴァ トレッビアーノ・ダブルッツォ(Bellanova Trebbiano d'Abruzzo)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ヴァッレ・レアレ ヴィニエート・ディ・ポポリ トレッビアーノ・ダブルッツォ(Valle Reale Vigneto Di Popoli Trebbiano D'abruzzo)
ピノ・グリージョ(Pinot Gridgo)
ヨーロッパ中で栽培されている長い歴史を持つ灰ブドウです。
ピノ・ノワールの変異体とされており、産地によって大きく特徴が変化します。
果実の収穫を遅らせてしっかり熟させると、スパイシーで濃厚な味わいが生まれますが、イタリアでは早めに収穫して印象的な酸味のすっきりとしたワインに仕上げるのが一般的です。
フランスではピノ・グリ、ドイツではグラウブルグンダーと呼ばれます。
- ピノ・ノワールの特徴について詳しく知りたい方はこちら
- 関連記事:ピノ・ノワールのワインの特徴
- おすすめワイン
- ・ファルネーゼ ファンティーニ ピノ・グリージョ(Farnese Fantini Pinot Grigio)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ダミアン・ポドヴェルシッチ ピノ・グリージョ(Damijan Podversic Pinot Grigio)
カタラット・ビアンコ・コムーネ(Catarratto Bianco Comune)
イタリアで2番目に多く栽培されている白ブドウです。
主にシチリア島など南部地方で利用されており、比較的濃厚なタイプの白ワインになります。
果実味がはっきりとしていて透明感のある酸味が楽しめるブドウで、お手頃価格のものからやや高級な銘柄までいろいろなタイプのワインが造られています。
- おすすめワイン
- ・アクイレ カタラット カニカッティ(Aquilae Catarratto Cva Canicatti)
モスカート(Moscato)
世界中に広く分布するマスカット(ミュスカ)系の白ブドウ品種です。
特徴的な香りを持ち、一般的に軽い甘口白ワインの原料に使用されます。
また、「モスカート・ダスティ」「アスティ・スプマンテ」などのスパークリングワイン、陰干し濃縮して極甘口デザートワインなど、普通の白ワイン(スティルワイン)以外にも用途の広い品種です。
- おすすめワイン
- ・ネイラーノ モスカート・ダスティ ピツレ(Neirano Moscato D'asti Pitule)