解禁日はどうしてできた? ボジョレー・ヌーボーが冬にしか買えない理由
記事の目次
- Q.いろいろなワインの中で、ボジョレー・ヌーボーだけ解禁日が決まっているのはなぜ?
- A.早売り競争が過熱しすぎないように、新酒だけ解禁日が決められています。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日は「11月の第三木曜日」
ボジョレー・ヌーボーは、もともとフランス・ボジョレー地方で造られていた、収穫祭用のお祝いワインでした。
しかし、普通は収穫の次の年まで飲めない「その年のブドウで造ったワイン」がいち早く飲めるというめずらしさから注目されるようになり、他の地域や国へも輸出されるようになります。
これに目をつけたワイン商たちが、市場を独占しようと「他のボジョレー・ヌーボーよりも1日でも早く出荷して欲しい」と要求し続けた結果、まだワインと呼べない「アルコール入りブドウジュース」のような商品が大量出現。
ボジョレー地方、ひいてはフランスワインの評判を落としてしまいかねないということで、最短でものこの日から、という規則が作られたというわけです。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日は「11月の第三木曜日」と定められています。
日本でもポピュラーなワインのひとつ
ちなみに、日付変更線の位置の関係で、日本が先進国で一番早くこの解禁日を迎える国となっており、これが日本でボジョレー・ヌーボーが大流行する原因のひとつとなったのは有名ですね。
実はEUに属していない日本では、解禁日より前に販売したからといって罰則などがあるわけではないのですが、決まった日付からスタートというルールを守ったことが、逆にボジョレーの知名度を他のワインよりも高めてくれました。
1980年代のバブル期には毎年輸入量が数倍ずつに増えていくほどの人気ぶりで、その日だけ深夜まで営業するワイン専門店に長蛇の列ができたり解禁日のスタートと同時に乾杯をするパーティが多数催されるなど、社会現象の一つにまでなりました。
最盛期には800万リットルを超える量が運び込まれ、「ボジョレー・ヌーボーはフランスよりも日本で多く飲まれている」とすら言われていましたが、現在ではブームも落ち着き、輸入量もピークの半分程度となっているようです。
それでも、解禁日が近くなるとポスターなどで大々的に広告が打たれ、専門店はもちろんコンビニやスーパーのお酒売り場にももれなく並ぶボジョレー・ヌーボーは、やはり日本でもっともポピュラーなワインのひとつといえるでしょう。
まとめ
- ボジョレー・ヌーボーの解禁日が決まっているのは、早売り競争を避けるため
- かつてあまりに早売りが過熱した結果、ワインになりきっていない商品が増えてしまったことがあった
- 現在の解禁日は11月の第三木曜日
- 日本は先進国で最も早く解禁日がやってくる国で、これが日本のボジョレー・ヌーボーブームのきっかけのひとつとなった