白ワインに合わせたい料理 魚料理以外とも組み合わせてみよう
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白ワインと料理を組み合わせる際のポイント
ひと言で白ワインと言ってもいろいろな種類があるのですが、合わせる料理は「そのワインの酸味のタイプと合うか」「そのワインの味わいの強さと釣り合うか」を考えると失敗が少ないでしょう。
ワインの原料となるブドウは育った環境(テロワール)や品種によって酸味のタイプが異なり、そこから造られるワインも柑橘系のような刺激的な酸味を持つものから南国フルーツに例えられるまろやかな酸味を持つものまでいろいろなタイプが存在します。白ワインの味わいはこの酸味が中心になりますので、組み合わせる料理もこれにあったものでなければなりません。
また、ブドウ果汁だけを発酵させて造る白ワインは、一般的に赤ワインよりも味や香りがシンプルで、脂肪が多い食材や濃い味付けの料理とあわせると力負けしてしまうことがあります。お互いを引き立てあうには、パワーバランスが大切なのです。
こうした条件から、「白ワインには肉料理よりも魚料理」と言われることが多いのですが、タイプによっては他の食材と組み合わせることも十分可能です。
白ワインのタイプ別に合う料理を考える
柑橘系の刺激的な酸味が特徴の白ワイン
口に含むと舌がキュッとするような刺激的な酸味を持つワインには、生の魚介類やちょっと油っぽい料理などを組み合わせてみましょう。
レモンやライムに似た柑橘系タイプの酸味は唾液の分泌を促すため、口内に残った生臭みや油分をさっぱりさせてくれます。
生牡蠣やから揚げなどにレモンを絞ったときの味わいの変化をイメージしてみてください。このすっきり感がワインの爽快な酸味を強調し、さらに料理の次のひと口を新鮮な気分で味わわせてくれるのです。
相性が良い他の料理の例としては、スモークサーモンや天ぷらなどが挙げられます。肉類については、牛や豚の脂身よりは鶏肉のほうが良いでしょう。
- おすすめワイン
- ・シャテル・ビュイ ブルゴーニュ シャルドネ(Chatel Buis Bourgogne Chardonnay)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ウィリアム・フェーブル シャブリ(Chablis William Fèvre)
南国フルーツ系の柔らかい酸味が特徴の白ワイン
熟した南国系フルーツに例えられるまろやかな酸味を持つ白ワインには、旨みのはっきりしたタイプの料理や食材が良く合います。
完熟したブドウを原料とするワインや、発酵が終わった後にじっくりと時間をかけて熟成した白ワインは、酸の種類が変化して刺激が弱まり、代わりに旨みや甘みを感じられるようになります。このタイプの白ワインは、同じように柔らかい口当たりの料理、旨みを持った食材と調和するはずです。
しっかりと火を通したシンプルな味付けの魚介類、赤身肉のステーキやソテー、根菜や豆類の煮込み料理などがおすすめ。特に酸味を持つ食材(トマトなど)や酢を使用し、しっかり熱を加えることでまろやかにした煮物などの料理は、同じ変化をしている同士間違いのない相性の良さを発揮してくれるはずです。
- おすすめワイン
- ・クリムゾン・ランチ シャルドネ(Crimson Ranch Chardonnay)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・アルターレ・トレッビアーノ・ダブルッツォ マラミエーロ(Altare Trebbiano D'abruzzo Marramiero)
すっきりとしていて飲みやすい白ワイン
味わいや香りの主張が強くなく、すっきりと飲みやすいタイプの白ワインには、繊細な香りや旨みを楽しめる食材や料理はいかがでしょうか。
ブドウの品種としては、ソーヴィニヨン・ブランやトレッビアーノ(ユニ・ブラン)などが該当します。シンプルで軽い白ワインは、その飲みやすさから食前酒や他のワインの前座のように見られることも少なくありませんが、このタイプだからこそ引き立てあうことができる食べ物も少なくありません。
特に、一般的にワインと合わせにくいと思われがちな和食は、ぜひこのタイプの白ワインとのマリアージュを試してみてください。山菜を利用した料理、あっさりめの味付けの煮物、そしてお寿司などがおすすめです。
ただし、えぐみの残るもの、生臭さや独特のにおいが強いものは、ワインの特徴を塗りつぶしてしまうので避けたほうが良いでしょう。
- ソーヴィニヨン・ブランのワインについて詳しく知りたい方はこちら
- 関連記事:ソーヴィニヨン・ブランのワインの特徴 バランスの取れた程よい酸味
- おすすめワイン
- ・コノスル オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン(Cono Sur Organic Sauvignon Blanc)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン キムラ・セラーズ(Marlborough Sauvignon Blanc Kimura Cellers)
コクのある味わい深い白ワイン
じっくりと時間をかけて楽しめるような豊かなコクを持つ白ワインは、こってりとした味わいのチーズやバターを使用した料理との相性が抜群です。
ブドウ果汁だけを発酵させる白ワインは、通常赤ワインに比べてあっさりとした味わいになりがちですが、発酵後にしっかり熟成させることによって深いコクを持たせた製品もあります。多くの場合この熟成の際に乳酸発酵が起こるため、乳加工製品との相性が良くなるのです。白ワインでのばしたチーズフォンデュやグラタン、鮭やきのこなど程よい旨みを持つ食材のクリーム煮などはいかがでしょうか。
また、逆にチーズやクリームと相性の良いタイプの食材を使用した料理と合わせるのも良いでしょう。鶏のもも肉ソテー、白菜とベーコンのコンソメスープ、ちょっと強めに炙ったトーストなども意外に合いますよ。
こうした食材や料理にするなら、味付けは塩コショウだけなどシンプルなものにしておくのがコツです。
- おすすめワイン
- ・アンデルーナ・セラーズ アンデルナ シャルドネ(Andeluna Cellars Andeluna Chardonnay)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ベリンジャー ナパ・ヴァレー シャルドネ(Beringer Napa Valley Chardonnay)
こってりとした甘さの甘口白ワイン
甘口白ワインに料理を合わせる場合は、ワインの甘さのレベルによって合わせる食べ物が変わります。
辛口と甘口の間くらいの半甘口ワインなら、少し強めに塩をきかせた肉や野菜が良いでしょう。スイカに塩を振るように、塩分がワインの甘さを引き立ててくれます。
それよりも甘さの強い、はっきりとした甘口の場合は、こってりとしたクリームタイプのチーズや甘さ控えめのアイスクリームなどを合わせます。イメージとしては、ドライフルーツ(特にレーズン)が合う組み合わせを意識すると失敗が少なくなるはずです。
貴腐ワインなど単体でデザートになるような極甘口の白ワインは、ブルーチーズや生ハム、こってりタイプのチーズケーキ、ちょっと変わったところだと塩味のあん肝なんかも。ワインに負けないこってりとした口当たりの料理を選びましょう。
全体的に言えることとして、ワインよりも甘さの勝るものは味わいがケンカしてしまいますので避けたほうが無難です。
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- 関連記事:高級甘口ワイン「貴腐ワイン」ってどんなワイン? ジャム以上に甘いって本当?
- おすすめワイン
- ・エーデルワイン 月のセレナーデ 白
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- ・シャトー・ギロー(Chateau Guiraud)
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