シャルドネのワインの特徴 酸味から旨みまで気品ある白ワインの女王
記事の目次
シャルドネとは
シャルドネは、フランス原産のワイン用白ブドウ品種です。
寒冷地から温暖な地域まで幅広い産地で栽培が可能で、その産地の環境を反映していろいろなタイプのワインになるという特徴を持ちます。しかも、どこで作っても比較的高品質になりやすいという優れもの!現在では世界中の産地で栽培されている、白ワイン界の女王です。
また、黒ブドウのピノ・ノワールと共に、フランス・シャンパーニュ地方で造られる世界一のスパークリングワイン、シャンパンの主原料となることでも有名です。
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シャルドネのワインの特徴
シャルドネのワインは、造られた土地によってまったく異なる性質を持つのが特徴です。
寒冷な地域で育てばきりっとした酸味のシャープなイメージのワインになりますし、温暖な地域では南国フルーツのような穏やかで果実味たっぷりのワインになります。
土地の状態、雨や日照の量、夏冬や昼夜の寒暖差などの影響も受け、醸造の手法でも大きく変化する可能性があるため、同じ印象のワインを探すほうが難しいかもしれません。
比較的簡単に差別化ができ、醸造家の腕によってさらに品質を高めることができるため、世界中のワイナリーで盛んに造られており、ワインに詳しくない人でも名前は知っているレベルの、世界でもトップクラスに有名なワインと言えるでしょう。
ちなみに、できるだけ特別な影響を与えないようにニュートラルに造ると、なんの特徴もない非常に平凡なワインになります。「美形の人はパーツだけを抜き出すと平均的な顔つきをしている」というのに近いかもしれませんね。
シャルドネのワインの味
シャルドネのワインの味は産地によって大きく異なります。
酸味の種類や強さ、含まれるニュアンスのバリエーションは「これ、本当に同じブドウ?」と言いたくなるほど。基本的には、寒い地域のものほどクリアで尖った酸味を持ち、温暖な地域のものほど柔らかく南国フルーツのような穏やかな酸味になります。
しかし、ブドウの個性以外にも醸造方法でも味わいが変化してしまうので、説明書きや味わいのグラフをチェックしたり、極論を言えば「飲んでみるまでわからない」とすら言えるかもしれません。
ただ、どんなタイプであってもそれなりのクオリティになりやすいため、ひどいハズレをひくことはほとんどないはずです。近年は、樽でしっかりと熟成させることで、白ワインでありながらバターやトーストのような風味を持つワインも増えてきています。
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シャルドネのワインの香り
シャルドネのワインは、香りも造られた産地や環境によって変わってきます。
寒冷な地方ではレモンやライムのような酸味の強い柑橘系の香り、温暖な地方ではフルーツや夏の花にも似たうっとりするような甘い香りになります。また、しっかり熟成させることでアーモンドやトーストのニュアンスを持つことも。
慣れてくると産地や価格帯でなんとなく予測できるようにもなりますが、毎回「今回はどんなタイプの香りかな」とわくわくできるワインと言えるかもしれません。
シャルドネのワインの色
シャルドネのワインは、色ですら一定ではありません。
味や香りの印象に連動するように、薄く儚いクリアレモンイエローからまるで黄金のようなゴージャスなイエローゴールドまで様々です。基本的には、濃い印象の色の方がたっぷりとした味わい、薄い色のものはシャープでクリアな味わいのものが多いようです。
シャルドネのワインに合う料理
産地によって大きく性質の異なるシャルドネのワインには、タイプごとに異なる料理を合わせましょう。
尖った酸味とクリアな味わいのタイプには、シンプルな味付けの魚料理やじゃがいもなど根菜を使用した料理、果実味のしっかりある芳醇なタイプには、鶏肉や豚肉のソテー、バターやクリームを使ったこってり系の料理、変わったところでは天ぷらなどでもおいしく組み合わせられます。香りの系統の近い果物のドライフルーツや、塩気の際立つチーズ、ナッツ類なども良いでしょう。
生ものや果物でさえ合わせられるシャルドネに一貫して合わせられない料理はそうそうありませんが、系統を読み間違えるとちぐはぐな感じになってしまう可能性もあります。できれば事前に味見をして、どんなワインであるかを把握した上で料理を考えたほうがいいでしょう。
初心者にもおすすめのシャルドネのワイン
シャルドネのワインは、どんな系統のワインが好きかでおすすめが変わります。
レモンやライムのようなはっきりとした酸味、柑橘系や白い花の香り、クリアですっきりとした味わいの白ワインが好きな方は、比較的寒冷な国や地域のワインを選ぶと好みのものに当たる可能性が高くなります。
特に、お手頃価格帯のものは熟成期間も短めで、シンプルなものが多くなっているはずです。
- おすすめワイン
- ・ブルゴーニュ シャルドネ カーヴ ド リュニー(Bourgogne Chardonnay Cave De Lugny)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ルイ ジャドシャブリ プルミエ クリュ フルショーム(Louis Jadot Chablis Premier Cru Fourchaume)
逆に、南国フルーツに近い酸味や香り、まろやかさを感じさせる果実味、しっかりした味わいの飲み応えのある白ワインが好みなら、比較的温暖な地域のものを選びましょう。
カリフォルニアやチリなど、いわゆる「新世界」のワインはもちろん、近年ではイタリアやスペインなどヨーロッパの産地でもシャルドネの栽培が盛んになってきているので、いろいろと試して自分の好みに近いものを探すのも楽しいですよ。
- おすすめワイン
- ・コノスル シャルドネ レゼルバ エスペシャル(Cono Sur Chardonnay Reserva Especial)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ラ ボーラ ディ カンテ シャルドネ セレツィオーネ(La Bora di Kante Chardonnay Selezione)
また、まるでバターやトーストのようなコクと香ばしさを持ったシャルドネのワインも増えてきています。
樽での熟成によって生まれるこのタイプのワインは、一般的な白ワインだと物足りないという方でも満足できる、どっしりとした飲み応えを持っています。
見分け方としては、樽での長い熟成を経たものや、説明文に「マロラクティック発酵」「バトナージュ」といった専門用語が見えたらこのタイプである可能性が高くなります。
やや高めの価格のものが多いのですが、それだけの価値があるおいしさなので、機会があったら一度チャレンジしてみてください。
- おすすめワイン
- ・ウインダムエステート シャルドネ(Wyndham Estate Chardonnay)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・プラネタ シャルドネ(Planeta Chardonnay)
シャルドネのワインといえば、はずせないのが「シャンパン」です。
フランス・シャンパーニュ地方で造られる高級スパークリングワインのシャンパンは、シャルドネをはじめとする幾つかの決まったブドウ品種だけを使用します。中には、シャルドネだけを使って造る「ブラン・ド・ブラン」というタイプのシャンパンも。
普通のワイン(スティルワイン)とはまた違った、シャルドネの魅力に触れられるワインだといえるでしょう。
- おすすめワイン
- ・ガスパール・エ・リサ ヴァン・ムスー ブラン・ド・ブラン(Gaspard et Lisa Vin Mousseux Blanc de Blancs)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ピエール・ペテルス キュヴェ・ラ・ペルル ブラン・ド・ブラン(Pierre Peters Cuvee La Perle Blanc de Blancs)
- テロワールについて詳しく知りたい方はこちら
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