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イタリアの赤ワインの特徴 陽気なイタリアンは赤ワインも軽やか?

トスカーナの風景と夕日
記事の目次

イタリアの赤ワインの特徴

味や香りの濃いしっかりしたタイプのワインが多い

産地やブドウによって差はあるものの、全体的にミディアムボディからフルボディに該当する、味や香りが濃いタイプの赤ワインが多くなっています。

イタリアはヨーロッパでは比較的温暖な地域にあり、ブドウ産地付近では降水量も少なめです。

さらに日照が長く強いこともあり、ブドウ果汁の成分濃縮や完熟が促されやすいのです。

こうして育った濃いブドウ果汁からは、当然濃いワインが生まれます。

北部と南部で方向性に大きな違いがある

産地ごとに差があるのはもちろんですが、それ以上に北部と南部のワイン造りには大きな方向性の違いが存在します。

イタリアは歴史的に南北が断絶していた期間が長く、商業的な重要拠点の多かった北部と基本的に被支配地域だった南部には、現在でも政治的にも経済的にも大きな格差があるのです。

そのため、ワインも高級・高品質な銘柄は北部に集中しており、南部では主に大量生産の安価なワインや他の産地で使用される原料ワインが造られています。

特に、赤ワインは高級なものだと熟成に長い時間と手間がかかるため、その傾向が顕著さらに顕著になっています。

歴史が古く伝統的なブドウを使った赤ワインが多い

ヨーロッパ内でも特に長いワイン造りの歴史を持つイタリアでは、赤ワインの原料となるブドウも非常に古い品種が使われているケースが多くなっています。

西暦前にワイン文化が広まっていたギリシャに近く、地中海に突き出した形になっているイタリアは、フランスやスペインよりもかなり早い時期にブドウやワイン造りが伝わった地域です。

また、中世以降は政治的に混乱した時期が長かったため、新しい品種の導入や改良などが進まず、結果として伝統的な品種をそのまま使い続けている産地が少なくありません。

どうしても品質や育てやすさ、経済性などの面で改良品種に劣るため、国際的にメジャーな品種に置き換えられてしまったところもありますが、それでも他の国に比べるとはるかに古くて多様なブドウが使われています。

ワインは品種によって味や香りが大きく変わるので、普通とはちょっと違う赤ワインを試してみたい方には、イタリアはおすすめの産地だといえるでしょう。

格付けに捕らわれない高品質ワイン スーパー・タスカン

イタリア、トスカーナ州では、テーブルワインなのに高品質な「スーパー・タスカン」と呼ばれるワインが造られています。

イタリアにもワインに関する法律があり、ほとんどの産地で「原産地を名乗るならその土地固有のブドウ品種を使ってワイン造りをしなければならない」という規則があります。

ヨーロッパでは細かい原産地を名乗るほど高品質とみなされるので、基本的にはこの規則に従うのが一般的です。

しかし、フランスのブドウ(カベルネ・ソーヴィニヨン)を使って造られたトスカーナ州の赤ワインが、他のイタリアのブドウ品種を使ったワインよりもあきらかにおいしかったことから、格付けよりも品質を取る生産者が次第に増加。

それら、原産地を名乗れない=テーブルワインなのに高品質なトスカーナのワインは、「スーパー・タスカン」と呼ばれるようになりました。

現在では、スーパー・タスカンに影響を受け「格より質」という方針のワインを造る生産者が、世界中で見られるようになってきています。

  • おすすめワイン

  • ・アジィエンダ・アグリコーラ カヴァリエーレ カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー(Azienda Agricola Cavaliere Cabernet & Merlot)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン

  • ・レ・マッキオーレ ボルゲリ ロッソ(Le Macchiole Bolgheri Rosso)

イタリアの赤ワインに使われるブドウ

サンジョヴェーゼ(Sangiovese)

イタリアでもっとも多く栽培されているメジャーな黒ブドウです。

酸味がしっかりしているのが特徴で、代わりに香りはどちらかというと控えめ。

渋みのもとであるタンニンが多いタイプと少ないタイプがあり、前者は濃厚なフルボディ、後者は飲みやすいミディアムボディの赤ワインになります。

どちらも使用品種は基本的に「サンジョヴェーゼ」としか書かれないので、きちんと確認しないと予想と違う口当たりのワインを選んでしまう可能性も。

イタリア産の中でも良く知られた赤ワインである「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」と「キャンティ」の原料としても知られています。

  • おすすめワイン

  • ・ファンティーニ ジロ サンジョヴェーゼ メルロー(Fantini Giro Sangiovese Merlot)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン

  • ・ピアン・デッレ・クエルチ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ(Pian delle Querci Brunello di Montalcino Riserva)

ネッビオーロ(Nebbiolo)

タンニンがしっかりと乗った、長期熟成用のワインの原料となる黒ブドウです。

渋みや酸味が非常に強いので若いうちはあまりおいしく飲めず、長期間の熟成を経て落ち着いてきた頃に真価を発揮します。

イタリアの最高級赤ワインに数えられる「バローロ」や「バルバレスコ」の原料として使用されていることで有名。

高品質なのですが、うまく育てるには非常に手間隙がかかり、栽培環境も非常に限定されます。

そのため、今のところイタリアのピエモンテ州周辺でしか本格的に栽培されておらず、大量生産も難しい稀少なブドウとなっています。

  • おすすめワイン
  • ・テッレ デル バローロ ネッビオーロ ダルバ(Terre Del Barolo Nebbiolo D'alba Cantina)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・カッシーナ・デッレ・ローゼ ランゲ・ネッビオーロ(Cascina delle Rose Langhe Nebbiolo)

バルベーラ(Barbera)

タンニンはやや控えめで、フレッシュな果実味と酸味が特徴の黒ブドウです。

比較的栽培が簡単で収穫量を増やすこともできるため、イタリア全土で栽培されています。

基本的には軽めの口当たりになりますが、しっかり手をかけてやれば高級赤ワインの原料としても使用できる万能型で、醸造技術が発達した近年では評価が見直されてきています。

イタリア以外にアメリカやアルゼンチンでも使われるようになってきているので、近い将来にはもっと一般的に見られるようになっているかもしれません。

  • おすすめワイン
  • ・テッレ デル バローロ ピエモンテ バルベーラ(Terre Del Barolo Piemonte Barbera Cantina)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・トリンケーロ バルベーラ・ダスティ ヴィーニャ・デル・ノーチェ(Trinchero Barbera d'Asti Vigna Del Noce)

モンテプルチャーノ(Montepulciano)

やさしい口当たりが特徴の黒ブドウです。

酸味や渋みがきつい赤ワインは苦手、という方におすすめのブドウだといえます。

お手頃な赤ワインに単一品種で使用されているケースが多く、イタリアの黒ブドウ品種の中では比較的良く目にする名前です。

  • おすすめワイン
  • ・カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチャーノ・ダブルッツオ(Casale Vecchio Montepulciano.d'Abruzzo)

アリアニコ(Aglianico)

ヒノキなどに例えられる、ちょっと独特の香りが特徴の黒ブドウです。

イタリアでも南部の主要品種で、やや軽めからしっかりしたタイプまでいろいろなワインが造られています。

スパイシーな味わいや香りは、ちょっと好みが分かれるかもしれませんが、好きな人ははまってしまうかも。

比較的安価なワインが多いのもうれしいポイントといえるでしょう。

  • おすすめワイン
  • ・ミニーニ インドーミト アリアニコ ベネヴェンターノ(MininiIndomito Aglianico del Beneventano)
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