甲州のワインの特徴 白から泡まで!急成長中の日本固有品種
記事の目次
甲州とは
甲州は、日本原産のワイン用白ブドウ品種です。
「白ブドウ」とは言っても、皮は緑ではなくピンクがかった紫色で、細かく分けると「灰ブドウ」というジャンルになります。
10世紀頃にヨーロッパのブドウがシルクロードを経由して運ばれ、一度野生化することで日本固有の品種となりました。今世紀に入って正式に「ワイン用ブドウ」として国際的に認められ、現在ではドイツでも試験的な栽培が始まっています。
食用にもなるブドウで劇的な特徴はないのですが、栽培方法、醸造方法の工夫でだんだん高品質なワインが作られるようになってきており、今後に期待がもたれています。
甲州のワインの特徴
甲州のワインは、口当たりの良い穏やかさが特徴です。
灰ブドウ特有の渋みもありますが、「えぐい!渋い!」というほど強いものではなく、むしろ日本酒のような好ましい繊細な渋みです。
もともとが食用として栽培されていたこともあり、パンチの弱さが長らくネックとされてきたのですが、醸造や熟成方法の工夫によってだんだんと改良されてきており、今世紀に入ってからは国際コンクールでも高評価を得るようになってきています。
白ワインはもちろん、スパークリングワインも造られており、いまのところこちらの方がおすすめです。
甲州のワインの味
甲州は、穏やかな酸味と甘味、かすかな苦味などが特徴の味わいを持っています。
強烈なインパクトのワインを飲みたいときには物足りなく感じてしまうかもしれませんが、心穏やかに楽しみたいとき、探るようにワインを味わいたいときには最適なワインと言えるでしょう。
甲州のワインの香り
甲州のワインは、梨やみりんのような日本っぽいイメージの甘い香りを持っています。また、かすかにクローブのような渋みを思わせるスパイシーさも隠れています。
甲州のワインの色
甲州は果皮に赤っぽい色がついているので、通常の白ワインにややオレンジっぽい赤みが差したような色をしています。
なかには、それを強調してロゼに近い色合いを持たせた製品も。色が濃いもののほうが、独特の渋みが強いようです。
甲州のワインに合う料理
日本の風土で育ってきた甲州のワインには、なんといっても和食が良く合います。
お寿司やお刺身、天ぷら、煮物、煮魚など、だしや醤油を使用した料理とあわせてみましょう。後味に独特の渋みがあるので、ほろ苦い山菜などとも相性が良く、漬物のような発酵食品にも負けません。
ただ、全体的に強い味わいではないので、濃すぎる味付けの料理や素材とは合わせにくいようです。
初心者にもおすすめの甲州のワイン
初めて甲州のワインを試すのであれば、まずはスパークリングワインがおすすめです。
甲州には独特の渋みがあり、普通のワイン(スティルワイン)だと銘柄によっては初心者向けとは言い難いものもあります。スパークリングワインなら、そのかすかな違和感を炭酸が包み込み、飲みやすくしてくれるのです。
- おすすめワイン
- ・マンズワイン 甲州 酵母の泡 セック キューブクローズ
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・勝沼醸造 アルガブランカ ブリリャンテ
でも、スパークリングワインで試してみて大丈夫そうなら、スティルワインも是非チャレンジしてみてください。
近年は特に醸造技術の発達により急激に品質が向上してきており、以前より格段に飲みやすくおいしくなってきています。
産地としては、発祥の地である山梨県を中心に本州中部がメジャーです。国産なので価格はやや高めですが、それに見合った価値あるワインが増えてきています。
- おすすめワイン
- ・シャトー・メルシャン 山梨 甲州
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州