イタリアのスパークリングワインの特徴 品質はフランス以上?
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イタリアのスパークリングワインの特徴
全体的に軽め・甘めの飲みやすいタイプが主流
イタリアのスパークリングワインは、基本的にシンプルで口当たりの軽い、どちらかというと甘口に近いタイプが主流となっています。
シャンパンと同じ製法の複雑なタイプももちろんあるのですが、生産量としてはあまり多くはありません。
これは、20世紀にはいるまでイタリアが「質より量」のカジュアルなワインをメインで造っていたことや、気温が比較的高く繊細なタイプのスパークリングワイン造りに向かない地域が多いことなど、いろいろな理由が重なった結果と考えられます。
ただしけっして品質が低いわけではなく、フレッシュな果実味や爽やかな香りが好みという方には、フランス以上と評価されることも。
ワインだけでじっくりと楽しめるようなコクを期待すると物足りないかもしれませんが、気軽に楽しめる軽さとシンプルさは、初心者にも楽しめるポイントとも言えるでしょう。
その土地ならではのブドウ品種を使用したワイン
イタリアのスパークリングワインは、それぞれの産地独特の品種が指定されているケースが少なくありません。
これはスパークリングワインに限ったことではないのですが、イタリアのワイン産地では比較的古い伝統品種にこだわったワイン造りが続けられていることが多く、しかも地域ごとに使用する品種が異なっています。
近年では「国際品種」と呼ばれるメジャーな品種(シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど)を使用する生産国が多く、どこのワインでも似た味わいになりがちですが、イタリアのスパークリングワインは原料からして個性的なものばかり。
他の有名な銘柄のスパークリングワインにちょっと飽きた、という方には特におすすめできるワインだといえるでしょう。
イタリアのスパークリングワインの種類
スプマンテ(Spumante)
イタリア語で「スパークリングワイン」のことです。
日本では、主にイタリア産のスパークリングワイン全般を指します。
フリッツァンテ(Frizzante)
イタリアのスパークリングワインのうち、微発泡性のものを指します。
具体的にはガス圧が3気圧未満。
これは一般的な炭酸入りジュースよりも微炭酸になります。
きめ細かく優しい刺激で、通常のスパークリングワインが痛くて好きじゃない、という方でも楽しみやすくなっています。
- おすすめワイン
- ・モンド・デル・ヴィーノ ピノ・ピノ・フリッツァンテ(Mondo Del Vino Pino Pino Frizzante)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・コル・タマリエ ヴィーノ・フリッツァンテ(Col Tamarie Vino Frizzante)
プロセッコ(Prosecco)
イタリア北東部のヴェネト州で造られるスパークリングワインです。
特に近年、世界的によく飲まれるようになってきているワインで、2013年には「ワイン法で使用に条件がついている特定名称を持つスパークリングワイン」として、シャンパン(シャンパーニュ)を抜いて世界トップの出荷量を記録しています。
グレーラという品種のブドウを単体、もしくは85%以上使用して造られ、印象的な香りと軽めの飲み口が特徴。
やや甘めになっている製品が多く、その飲みやすさとお手頃な価格から初心者にもおすすめのワインとされています。
- おすすめワイン
- ・サンテロ プロセッコ スプマンテ エクストラドライ(Santero Prosecco Spumante Extra Dry)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・カルペネ・マルヴォルティ プロセッコ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレ(Carpene Malvolti Prosecco Conegliano Valdobbiadene Superiore)
フランチャコルタ(Franciacorta)
イタリア北部のロンバルディア州で造られるスパークリングワインです。
シャンパンと同じ「シャンパーニュ(トラディッショナル)製法」を採用しており、使用するブドウ品種もシャルドネやピノ・ネロ(ピノ・ノワール)などほとんど同じ。
瓶内二次発酵を行うワイン独特の、複雑な香りと深いコクを持ちます。
しかも、造り方や熟成期間などは、シャンパンよりも厳しい条件が定められているため、品質はイタリアのスパークリングワインの中でも最上級といわれるほど。
その分高級な製品が多いのですが、それだけの価値があるスパークリングワインだといえるでしょう。
- シャンパン(シャンパーニュ)について詳しく知りたい方はこちら
- 関連記事:シャンパンってスパークリングワインとどう違うの?
- おすすめワイン
- ・バローネ・ピッツィーニ フランチャコルタ ブリュット アニマンテ ハーフボトル(Barone Pizzini Franciacorta Brut Animante Half Bottle)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・カ・デル・ボスコ フランチャコルタ ブリュット キュヴェ プレステージ(Ca’ del Bosco Franciacorta DOCG Brut Cuvee Prestige)
アスティ・スプマンテ(Asti spumante)
イタリア北西部のピエモンテ州で造られるスパークリングワインです。
飲み口の非常に軽い甘口メインのスパークリングワインで、アルコール度数の低さ(7~8%前後)もありジュースのように飲むことができます。
使用するブドウがモスカート(マスカット)なので、香りも甘く爽やかです。
ガス圧が低い微発泡のものは、モスカート・ダスティという名前になります。
- おすすめワイン
- ・フォンタナフレッダ モスカート・ダスティ(Fontanafredda Mosucato D'Asti)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・カウドリーナ ラ・セルヴァティカ アスティ・スプマンテ(Caudrina La Selvatica Asti Spumante)
ランブルスコ(Lambrusco)
イタリア北部のロンバルディア州と中北部のエミリア・ロマーニャ州で造られるスパークリングワインです。
「ランブルスコ」という系統のブドウ品種を原料として使用し、一応赤・白・ロゼのいずれも造られていますが、そのうち赤が圧倒的に有名です。
近年では辛口でしっかりした味わいのものも造られていますが、もともとは甘口で軽い口当たりが特徴のジュースタイプのスパークリングワインとして知られ、20世紀後半にはアメリカで「レッドコーク」の異名で流行したこともありました。
今世紀に入って品質の向上している銘柄のひとつでもあるので、機会があったらぜひ試してみて欲しいワインだと言えます。
- おすすめワイン
- ・メディチ・エルメーテ クエルチオーリ レッジアーノ ランブルスコ セッコ(Medici Ermete Quercioli Reggiano Lambrusco Secco)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・カンティーナ・デッラ・ヴォルタ ランブルスコ・ディ・モデナ スプマンテ(Cantina Della Voltages Lanbrusco Di Modena Spumante)