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赤ワインの健康効果 赤ワインには本当に健康・美容効果があるのか

ワインで乾杯
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赤ワインも含めたアルコール飲料は基本的に「不健康」

赤ワインが健康や美容に良いかどうかは、度々議論になるテーマです。いろいろな説がありますが、2018年現在では「健康・美容に良いとは言えない」というのがメジャーな見解となっているようです。確かに、赤ワインに含まれる成分ひとつひとつに注目すると、けして小さくない健康・美容効果があるのは間違いありません。

しかし、それらのプラスの作用に比べて、アルコールによるマイナスの作用のほうが大きすぎるため、全体としてはマイナスに傾いてしまうのです。今のところ、赤ワインに関しては「飲まない」ことがもっとも健康・美容によいという結論になっています。

お酒全般と比較するとポジティブな面も

しかし、これは飲酒をするかしないかまで比べた場合のこと。酒類全般で比べると、赤ワインのほうが他のお酒に比べて健康や美容に良い効果があるのも確かなので、「お酒を飲むのであれば赤ワインが良い」と言える面もあるのです。

赤ワインの持つ健康・美容効果のうち、主なものを見てみましょう。

健康を害する「活性酸素」を除去してくれる

赤ワインに多く含まれるポリフェノールは、活性酸素の除去に役立ちます。活性酸素は体内で酸素を利用した後に発生する物質で、増えすぎると動脈硬化やがんを誘発してしまいます。 ポリフェノールはこの活性酸素と結びついて中和することで、体内からの除去を助けてくれるのです。ポリフェノールは主に皮(アントシアニンなど)や種(タンニンなど)から移るため、それら固形部分と一緒に発酵させて成分を溶け込ませる赤ワインのほうが、白ワインよりも効果が高くなっています。

心筋梗塞などの原因となる血栓の防止

ポリフェノールには、血栓ができるのを防止する効果もあります。血栓は、血液中の悪玉コレステロールが酸化することが原因で発生しますが、ポリフェノールはコレステロールよりも優先的に酸化することでこれを阻止してくれるのです。 おつまみとして食べられる料理はコレステロール値が高いものも少なくないため、心強い効果だといえるでしょう。

血管や心臓の病気を誘発する高血圧の防止

ワインに多く含まれるカリウムやポリフェノールの一種は、血圧が上昇しすぎるのを防止します。しょっぱいものを食べ過ぎるなどして血液中にナトリウムが多くなると、血液に含まれる水分量も増加して血管内壁が膨張し高血圧になります。

カリウムはこのナトリウムの排出を促してバランスを正常に戻すほか、利尿作用によって水分量を調整してくれるのです。また、ワインポリフェノールの一種(レスベラトロールには血管を拡張する効果があるため、短期的に血圧を下げるのに役立ちます。

アンチエイジングに関するいろいろな効用

赤ワインには、老化防止に役立つ様々な成分が含まれています。ポリフェノール抗酸化作用は活性酸素を除去し、細胞の老化が進んでしまうのを防いでくれます。また、ワインポリフェノールのうちレスベラトロールが持つ血管拡張作用は、細くもろい眼の奥の血管が詰まって破壊されることを阻止し、老化に伴う視力の低下を遅らせてくれるのです。

バランスよく含まれたカルシウムとマグネシウムは、骨からカルシウムが流出することを防ぎ、骨粗しょう症予防に役立ちます。豊富に含まれるカリウムには利尿作用があり、体内の老廃物の排出を促してくれます。

ダイエットのサポート

意外にも、赤ワインにはダイエットに役立つ効果もあります。ワインポリフェノールには、細胞の消費エネルギーを増加させる働きがあり、特に脂肪として蓄えられた余剰エネルギーを消費しやすい状態に分解させる効果があります。

また、逆に余剰エネルギーが脂肪になるのを妨害する作用もあるため、他のアルコール類に比べて太りにくくなるのです。ダイエット中にもどうしてもお酒を飲みたい、という場合は、赤ワインが最適だといえそうです。

適量を守って赤ワインをずっと楽しめる人生を

ここまで挙げてきた健康・美容効果は、ワインに含まれるそれぞれの成分が持っているものです。それだけを摂取できるならともかく、実際にはアルコールも一緒に飲むことになるため、飲酒量が増えるほど全体としてはマイナスが大きくなっていってしまいます。

赤ワインの健康効果を最大限生かすには、適量を意識して飲むことが重要です。平均的なアルコール分解能力を持つ人の場合、赤ワイン(アルコール度数14%前後)の適量はグラスワイン1~1.5杯(150~200ml)程度と言われています。

また、いくらおいしいからといって毎日飲酒を続けていると、肝臓が回復する暇がなくダメージが蓄積していってしまいます。最低でも週2回は休肝日を設けるようにするべきでしょう。

赤ワインは、時間の経過による変化や年度ごとの違いを楽しめるお酒です。今だけでなく将来も長く飲み続けられるよう、適量を守って楽しみましょう。

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