ブドウの種類

リースリングのワインの特徴 凛と研ぎ澄まされた繊細な酸味

リースリングのぶどう
記事の目次

リースリングとは

リースリングは、ドイツ北東部(もしくはフランス・アルザス地方)を原産とするワイン用白ブドウ品種です。

寒い地域に適したブドウで、日本でも北海道を中心に栽培が広がっています。

ぎゅっと濃縮したイメージのインパクトの強い酸味を持ち、古くはこの酸味とバランスを取るために甘口のワインに仕立てられることが多いほどでした。

現在では辛口でもおいしいワインが増えてきており、甘口~辛口の選択肢の多い白ワインと言えます。

カナダでは、自然に凍結させて濃縮した果汁で造る「アイスワイン」の原料としても有名です。

リースリングのワインの特徴

リースリングのワインは、ときに「金属のような」とすら表現される研ぎ澄まされた酸味が特徴です。

甘口・辛口のタイプに関わらずしっかりとした酸味を感じられ、ワイン全体に一定の緊張感があることから「もっとも高貴なワイン」と呼ばれることもあります。

この力強い酸が防御力を高めてくれるため、リースリングは白ワインとしては異例なほど長期間の熟成に耐えるポテンシャルを持っています。赤ワインのように数十年寝かせても崩れない白ワインはそうそうありません。

その反面、アルコール度数は平均的に低めで、10%を下回るものもめずらしくありません。この低アルコールと強い酸味がほどよいバランスを生み出しているワインだと言えるでしょう。

リースリングのワインの味

リースリングのワインは、なんといっても硬質な酸味が最大の特徴です。

温暖な産地で造っても緩まないこの酸味は、ときに厳しい印象を与えるほどで、「白ブドウ界のカベルネ・ソーヴィニヨン」と表現されることもあるほど。甘味や果実味が少なくないワインもあるのですが、この酸味が全てを統率して透明感を保持します。シャルドネなどと異なり、品種自体にはっきりとした個性的な味わいのあるワインだと言えるでしょう。

ただ、アルコール度数が低めで甘口に仕上げてあるものも多いため、飲みにくさを感じることはあまりありません。

リースリングのワインの香り

リースリングのワインは、その酸味のイメージと同じくレモンやライムなど柑橘系の香りや繊細な草花の香りを持ちます。

また、産地によっては青りんごや蜂蜜のような甘いニュアンスを持つことも。アメリカやオーストラリアで造られたものについて、「石油っぽい匂いがするものがある」と言われることもありますが、相当長期間熟成させなければ気になるほどではないので、購入の際に心配する必要はないでしょう。

リースリングのワインの色

リースリングのワインの色は味わいのタイプや熟成期間によって変わり、青みがかったクリアイエローからとろりとした黄金色まで様々です。基本的に、甘口のこってりしたものほど色が濃くなる傾向があります。

リースリングのワインに合う料理

芯の通った酸味を持つリースリングには、シンプルな味付けの肉料理・魚料理や、清涼感のある野菜、フルーツなどが良く合います。

鶏もも肉のグリルやポークソテー、アクアパッツァ、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼなどはいかがでしょうか。香りのタイプの合う梨やりんご、桃などのフルーツもおいしいですよ。

また、しっかりした酸味があるので、白ワインにしては比較的油っぽい料理にも対応しやすい品種です。バターやオリーブオイルを使った料理と合わせてみてもいいでしょう。

逆に合わせにくい料理としては、スパイスを多用したり味付けが濃すぎるもの、臭みの強い食材などがあげられます。

初心者にもおすすめのリースリングのワイン

リースリングのワインを試すのであれば、やはりドイツ産のものからスタートするのが良いでしょう。

寒冷な地域で実力を発揮するリースリングは、きりっとした酸味や柑橘系の香り、すっきりした飲み口の白ワインが好きな方に最適です。やや甘口から辛口までいろいろなタイプが造られていますが、特にこだわりがないならリースリングについてはやや甘口のものがおすすめ繊細な香りとあいまって、いつまでも飲んでいたくなるようなさわやかな風味を楽しむことができます。

  • おすすめワイン
  • ・ピースポーター ミヒェルスベルク リースリング カビネット(Piesporter Michelsberg Riesling Kabinett)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・クロスター エーバーバッハ シュタインベルガー リースリング シュペートレーゼ(Kloster Eberbach Steinberger Riesling Spatlese)

また、実はリースリングは日本でも栽培されている品種のひとつです。特に北海道長野などの寒冷な産地では、国際的にも評価が高いワインが生み出されるようになってきています。

国産ということでやや価格が高めのものが多いのですが、日本人の好みに合わせて作られた上質なリースリングのワインは、試してみる価値が十分あるといえるでしょう。

  • おすすめワイン
  • ・信州まし野ワイン 信濃リースリング
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・ソラリス 信濃リースリング 辛口
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