知っておきたいワイン用語

「白のボジョレー」は無い? ボジョレー・ヌーボーに赤ワインしかない理由

赤ワインとぶどう
記事の目次
  • Q.ボジョレー・ヌーボーって赤ワインしかないの?
  • A.赤ワインとロゼワインだけがボジョレー・ヌーボーを名乗ることを許されています。

ボジョレー・ヌーボーが使えるのは赤とロゼだけ

「ボジョレー・ヌーボー」という名前は、フランスのワイン法によって使用するのに一定の条件を満たさなければいけないと定められている名称のひとつです。

そして、その条件の中に「赤ワイン、もしくはロゼワインであること」という項目があります。

そのため、「ボジョレー・ヌーボー」という名前で売られているワインの中に、白ワインは存在しません。

ただ、これは別に意味なく(もしくはマーケティング的な意味合いで)決まっているわけではありません。

もともとはボジョレー地方の収穫祭のために造られた祝い酒

ボジョレー・ヌーボーはもともと、フランスのブルゴーニュ地方の南、ボジョレー地方の収穫祭用に造られていた祝い酒でした。

普通のワインは、ブドウを収穫してから飲めるようになるまで、早くても半年はかかるのですが、それではその年のワインはその年の収穫祭には間に合いません。

そのため「炭酸ガス浸漬法」という、普通より早く飲めるようになるちょっと特殊な手法が使われるのですが、この方法だとどうしても果皮と果汁が接触している時間が発生し、皮の色がワインに移ってしまいます。

そして、ボジョレー地方で栽培されているブドウは、伝統的に黒ブドウのガメ(ガメィ)という品種だったので、結果としてボジョレー・ヌーボーは赤ワインかロゼワインにしかなりませんでした。

つまり、「法律で赤かロゼだけと制限した」のではなく、「もともと赤かロゼしかなかったので法律にもそれが反映されている」のです。

ヌーボー(=新酒)はボジョレー以外でも造られている

ただし、ヌーボー、つまり新酒ワインはなにもボジョレー地方だけで造られているわけではありません。

そして、他の地方の新酒ワインのなかには、白ワインが含まれるものも存在しています。

近年、日本で少しずつ知られるようになってきている「マコン・ヌーボー」もそのひとつです。

これはボジョレー地方の北、ブルゴーニュ地方・マコネ地区で造られている新酒ワインで、ここが良質なシャルドネ(白ブドウ)の産地となっていることから、ボジョレー・ヌーボーとは逆に白ワインだけが認められています。

日本では「ヌーボーといえばボジョレー」という認識が一般的であることや、地理的に非常に近いところにあることから、「ボジョレー・ヌーボーの白ワイン」と誤解されがちで、中にはわかりやすくするためか専門店などの売り手側でもそのように表現しているケースもありますが、実際には産地も名称も別物ですので間違えないように注意しましょう。

まとめ
  • ボジョレー・ヌーボーには赤ワインかロゼワインしか認められていないので、白ワインはない
  • 伝統的な材料や手法によって決まっているので、後付の理由じゃない
  • ボジョレーではない国や地域の新酒ワインの中には白ワインが含まれるものもある
  • ブルゴーニュ地方・マコネ地区の「マコン・ヌーボー」が「ボジョレーの白」と誤解されているケースもあるが、間違わないように注意
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