日本と海外のソムリエの違いとは その資格や働き方
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- ソムリエの定義や日本のソムリエ資格について詳しく知りたい方はこちら
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ソムリエの資格の扱いは国によって大きく異なる
「ソムリエ」とひと言で言っても、その実情や資格の扱いは国ごとに大きく異なります。
例えば、日本でのソムリエ資格は民間の団体によって管理される「民間資格」であり、資格を取得せずにソムリエを名乗っても(道義的な問題はともかく)法律的には問題ありません。
しかし、ヨーロッパを中心としてワイン生産国の多くでは、ソムリエは政府が管理する「国家資格」です。
勝手に名乗ることはできませんし、取得のハードルも基本的に日本より高くなっています。
ここでは、代表的な例としてフランス、そしてイタリアのソムリエについて簡単にチェックしてみましょう。
フランスのソムリエ
世界で初めて正式にソムリエの組合が発足したフランスのソムリエ資格は、世界的に見ても重要度・信頼度が高く、当然ながら国家資格です。
「ASP(パリ・ソムリエ協会/Association des Sommeliers de Paris)」によって認定を受けた機関で教育を受け、さらに厳しい試験に合格しなければソムリエを名乗ることはできません。
資格自体も知識や技術のレベルごとに分かれており、単に知識を持っているだけだと「見習い」「予備ソムリエ」と呼ばれます。正式に「ソムリエ」となるにはテイスティングやサービスなどの実技面での試験もクリアする必要があります。
非常に取得条件の厳しい資格ですが、その分社会的な信用も非常に大きく、ソムリエ以上の資格保有者であればレストランやホテルなど就職先には困らないと言われるほど。
さらに上級の「マスターソムリエ」「マスターオブワイン」ともなると、それだけで(フランスだけでなく国際的にも)尊敬の眼差しで見られるようにすらなります。
また、フランスには国際的な組織である「ASI(国際ソムリエ協会/Association De La Sommellerie Internationale)」の本部もあり、日本のソムリエ資格を管理する団体の一つであるJSA(一般社団法人日本ソムリエ協会/Japan Sommelier Association)も加盟しています。
イタリアのソムリエ
フランスと生産量で1・2位を争うイタリアでも、当然のようにソムリエ資格は国家資格となっています。
AIS(イタリアソムリエ協会/Associazione Italiana Sommellier)が資格を管理しています。
イタリアの場合は、どちらかというと積極的にソムリエを増やす方向で活動が行われているのが大きな特徴です。
例えば、資格取得のために講義を受けなければいけないのですが、これはお酒が飲める年齢であれば特に条件なく誰でも受講できます。
また、国内はもちろんアメリカや日本など海外にも支部があり、それぞれの国にいながらイタリアのソムリエ資格にチャレンジすることが可能です。
厳しい試験で技術・知識が十分な人だけを選別するフランスとは、対照的な方針だといえるでしょう。
日本人が海外でソムリエになるには
海外でソムリエの資格を取るためには通常、
- ・スムーズな意思疎通ができるレベルでの言語の習得
- ・かなり長期間に渡る受講
- ・多くの場合日本よりも高い水準でのワインに関する知識・技術
などが要求されます。
特にフランスでは要求されるレベルが非常に高く、日本で基礎的な勉強や実務経験を経てから、移住するくらいのつもりで挑戦しに行くくらいの覚悟が必要です。
イタリアは例外で、6~7週間の集中講座をツアーで受けたり日本支部で日本語での資格取得も可能になっていますが、知識や技術のレベルは国際水準です。
狭き門ではありますが、取得できれば日本だけでなく海外へも活動の場が広がる、十分なリターンのある資格です。
「ワインに関する仕事をより高いレベルでこなしたい」「ワインの本場であるヨーロッパで活躍したい」という方は、チャレンジしてみる価値は十分あるといえるでしょう。