オーストラリアの赤ワインの特徴 オーストラリアを代表する「シラカベ」とは
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オーストラリアの赤ワインの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズのブレンド
オーストラリアで造られる赤ワインといえば、なんといっても「カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズのブレンド」が代表になるでしょう。
ワインの原料となるブドウのブレンドは、通常お互いの不足を補い合うような品種同士で行います。
しかし、カベルネ・ソーヴィニヨンは、タンニンが多く複雑な味わいのブドウで、シラーズは味や香り、アルコール度数などが強いパワフルなブドウです。
どちらも同じように比較的長期間の熟成に向く、主張の激しいタイプの品種で、普通はこの2つをブレンドしようなどとは思いません。
実際、最初から意図的にブレンドしたわけではなく、「シラーズの樹をカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えていた年に、どちらも中途半端な収穫量になってしまったのでしかたなく混ぜた」という、偶然によって生まれたワインでした。
しかし、そうして仕方なく造ったワインが意外にも非常においしかったため、その後も本格的に研究・生産されるようになり、現在ではオーストラリアの赤ワインを象徴する組み合わせとなったのです。
同じオーストラリア産でも産地ごとの差が大きい
広大な国土を持つオーストラリアのワインは、産地ごとの違いが同じ国とは思えないほど大きく、様々なタイプが造られています。
オーストラリアの面積は約769万平方キロメートルで、日本の約20倍にもなります。
その全てがブドウの栽培に向いているわけではないものの、産地ごとの気候や地質の違いは他の国よりも大きく、その影響を受けやすいブドウの性質も産地ごとにかなり異なるのです。
そのため、たとえ同じ品種のブドウを使ったオーストラリアワインであっても、以前飲んだものと違う産地のものを選んだ場合は、イメージとまったく異なるタイプに当たる可能性も少なくありません。
選ぶ際にはちょっとやっかいですが、それだけ大きな可能性を秘めている生産国であるともいえるでしょう。
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常識にとらわれないおおらかなワイン造り
オーストラリアでは、古い伝統やセオリーに縛られないワイン造りが行われています。
オーストラリアにはじめてブドウの樹が持ち込まれたのは18世紀。現在のように本格的なワイン造りを行うようになったのは、19世紀も半ばをすぎてからでした。
ワイン生産国としてはかなり歴史の浅いオーストラリアですが、だからこそ細かい規則や伝統、さらには「ワインとはこうでなければいけない」といった思い込みなどがない、自由な発想でのワイン造りが行われてきました。
カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーズのブレンドを発見したことも、その成果の一つといえるでしょう。
また、紙製の箱とビニールパックの容器を使った安価なワイン(カスクワイン)や、コルクでなくスクリューキャップのボトルをはじめて本格的に導入したのも、オーストラリアの生産者でした。
ヨーロッパの主要生産国のような歴史や経験はありませんが、おおらかで自由な姿勢やチャレンジ精神によって、世界でも通用するオーストラリアワインが生み出されているのです。
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オーストラリアの赤ワインに使われるブドウ
シラーズ(Shiraz)
オーストラリアでもっとも重要な赤ワイン用黒ブドウです。
もともと味や香りの強い品種ですが、温暖なオーストラリアではその特徴がさらにパワーアップ。
風味だけでなくアルコール度数も飲み応え(ボディ)も非常に重い、時に「暴力的」とまで言われるほどのパワフルなワインになります。
単一で使用される場合には、あえて成分が全部ワインに移らないように調整されるほど。
カベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドは、オーストラリアの赤ワインを代表する組み合わせとして知られています。
ちなみに、「シラーズ」とはオーストラリア独特の呼び方で、原産地であるフランスでは「シラー(Syrah)」と呼ばれます。(フランス風に造ったワインのなかには、オーストラリア産でもあえて「シラー」と記載しているものもあります)
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- おすすめワイン
- ・ジェイコブス・クリーク ダブル バレル シラーズ(Jacob's Creek Double Barrel Shiraz)
- ・ウルフ・ブラス レッドラベル シラーズ/カベルネ(Wolf Blass Red Label Shiraz/Cabernet)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ルーウィン・エステート アートシリーズ シラーズ(Leeuwin Estate Art Series Shiraz) ・
- ブラック・シープ ラスカル シラーズ(Black Sheep The Rascal Shiraz)
カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
オーストラリアでシラーズに次いで重要な黒ブドウです。
温暖なオーストラリアではヨーロッパで栽培されるよりも熟成が進みやすく、単一で使用した場合はフレッシュですっきりしたタイプや果実味豊かなタイプなど、比較的飲みやすいワインになります。
最初はシラーズの畑をすべてこのカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替える計画でしたが、気候などに適応させるのに手間取り、その間に偶然造られたシラーズとのブレンドが思わぬ高品質ワインになりました。
そのブレンドは、今ではオーストラリアを代表する組み合わせとなっています。
- カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインについて詳しく知りたい方はこちら
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- おすすめワイン
- ・ジェイコブス・クリーク カベルネ・ソーヴィニヨン(Jacob's Creek Cabernet Sauvignon)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・カンガリーラ・ロード・ワイナリー カベルネ・ソーヴィニヨン(Kangarilla Road Winery Cabernet Sauvignon)
メルロー(Merlot)
柔らかい口当たりが特徴の黒ブドウです。
オーストラリアでは主に、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズとのブレンド用として使用されます。
主張の強すぎる相手の欠点を補い、長所を生かしたまま飲みやすいワインにしてくれる品種です。
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- 関連記事:メルローのワインの特徴
- おすすめワイン
- ・リンデマンズ カワラ カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロー(Lindeman's Cawarra Cabernet Sauvignon Merlot)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・バートン・ヴィンヤーズ ヒドゥン・パール シラーズ カベルネ メルロー(Berton Vineyards Hidden Pearl Shiraz/Cabernet/Merlot)
その他のブドウ品種
現在もワイン産地として成長中のオーストラリアでは、試験的に新しい品種の栽培が行われています。
まだ栽培面積では主要な品種に遠く及びませんが、良質なブドウが収穫できることがわかりじわじわ広まっているものも出てきています。
近年では、テンプラニーリョやサンジョヴェーゼ、ピノ・ノワール、グルナッシュなどを使用した高品質なワインが造られるようになってきており、次世代のオーストラリアワイン候補として注目を集めているようです。
- おすすめワイン
- ・デ・ボルトリ ダウン・ザ・レーン シラーズ テンプラニーリョ(De Bortoli Down the Lane Shiraz / Tempranillo)
- ちょっとリッチなおすすめワイン
- ・ショー・アンド・スミス ピノ・ノワール(Shaw And Smith Pinot Noir)