ワインと料理を合わせる

ワインのタイプとそれに合わせた料理とは?

赤ワインと色々な料理
記事の目次

軽めの赤ワインの場合

鴨肉のロースト
ポイント

肉だけでなく魚もOK。濃すぎる味付けは避け、脂の強すぎないシンプルな料理を。

渋み(タンニン)やアルコール度数が控えめで、重さをあまり感じないすっきり軽めの赤ワインには、味や脂の強すぎないシンプルな味付けの料理が合います。

「赤ワインには肉料理」というのが常識のように言われていますが、フルーティで軽めの赤ワインの場合は、むしろ白身魚の塩焼きや温野菜などのほうがあうことも。

具体的には、シンプルに焼いた肉類、酸味のきいたソース、セミハード系や白カビ系のチーズ、蒸した根菜や緑黄色野菜のサラダ、クリーム系のドレッシングなどが挙げられます。

脂っこすぎる肉や魚、スパイスや味付けが濃すぎる料理、あくの強い野菜、水分量の多いサラダなどは避けたほうが良いでしょう。

おすすめ料理例

・鴨の胸肉のロースト

・ロールキャベツのケチャップ煮

・オニオングラタンスープ

・粉ふき芋

  • おすすめワイン
  • ・シンコ・ガトス ガルナッチャ(Cinco Gatos Garnacha)

しっかりめの赤ワインの場合

ローストビーフ
ポイント

ワインの濃さに負けないしっかりした味付けが合うが、繊細な香りを塗りつぶしてしまわないよう注意も必要。

タンニンがしっかり効いて渋みの強い、アルコール度数が高め、味や香りが複雑などしっかりとした重いボディを感じられる赤ワインには、濃厚な脂を持つ素材や濃いめの味付けの料理が良く合います。

特にタンニンは、口に残った脂肪を洗い流してさっぱりさせてくれる効果があるので、霜降りの肉や脂がたっぷり乗った魚介類との相性が抜群です。

そのほか、レバーや魚卵などこってりとした味わいの素材、ハード系や青カビ系など強い味や香りを持ったチーズ、ナッツ類、チョコレートなども良く合います。

ただ、しっかりめの赤ワインには、タンニンが強いもの、アルコールが強いもの、酸味が強いもの、味や香りがしっかり感じられるもの、あるいはそのいずれかの複合など、いろいろなタイプがあり、合わせる料理も一概には決められません

アルコールがきついなら刺激をやわらげてくれるバターやクリームを使った料理、華やかな香りを楽しむタイプならスパイスやハーブは控えめにする、など、ワインの特徴に合わせ長所を殺さない素材や料理を選びましょう。

おすすめ料理例

・ローストビーフ

・ロールキャベツのケチャップ煮

・鮭とマカロニのグラタン

・金目鯛の煮付け

  • おすすめワイン
  • ・ファルネーゼ モンテプルチアーノ ダブルッツオ カサーレ ヴェッキオ(Farnese Montepulciano d'Abruzzo Casale Vecchio)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・レイニャック キュヴェ・スペシャル(Reignac Cuvee Speciale)

軽めの白ワインの場合

ロールキャベツ
ポイント

シンプルな味わいの素材・料理と合わせる。生の魚介類と相性抜群のワインも。

シンプルな風味、はっきりとした酸味などが特徴の軽めの白ワインには、同じくシンプルな味わいの素材や料理が合います。

また、生牡蠣や新鮮な刺身など生の魚介類との相性も良く、特に海に近い産地では魚介類用に特化したタイプの銘柄も造られていたりします。レモン果汁やビネガードレッシングと合わせられる生の魚介類、塩や胡椒だけで味付けした肉や魚のソテー、フレッシュタイプのチーズ、蒸し野菜などはいかがでしょうか。

逆にあわせにくいものとしては、味や香りが強すぎる料理・素材、生野菜やあく・えぐみの強い野菜、濃い甘味を持つ料理などが挙げられます。特ににんにくや生のねぎなどは、ワインの香りをかき消してしまう恐れがあるのでできるだけ避けたほうが良いでしょう。

おすすめ料理例

・鴨の胸肉のロースト

・ロールキャベツのケチャップ煮

・オニオングラタンスープ

・粉ふき芋

  • おすすめ料理例
  • ・生牡蠣
  • ・スモークサーモン
  • ・温野菜のサラダ
  • ・手巻き寿司
  • おすすめワイン
  • ・ジェイコブス・クリーク リースリング(Jacob's Creek Riesling)

しっかりめの白ワインの場合

ポトフ
ポイント

旨みたっぷりの料理が基本。こってり系もいけるけど香りや刺激が強くなりすぎないよう気をつけて。

白ワインの中でも、強く複雑な味や香り、柔らかく甘味を伴う酸味、樽熟成など比較的強いタンニンなどを持つしっかりめのタイプのものは、同じく旨みや香りがはっきりとした素材・料理とあわせてみましょう。鶏肉や鱈などだしの良く出る肉や魚、貝類、根菜、きのこ類、セミハード系チーズやプロセスチーズなどがおすすめです。

味付けは素材の旨みを生かしたシンプルなものが最良ですが、クリームやバターを適量加えてコクを持たせることでさらに相性がよくなります。

ただし、あまり脂質が多くなるとせっかくの複雑な味わいを相殺してしまう恐れも。トマトやビネガーなどを使う場合は、刺激が強くなりすぎないようしっかり煮込むか、他の調味料でバランスを取ります。香りを感じ取りにくくするハーブやスパイス、にんにくなどの使いすぎや、えぐみ、生臭みのある素材も避けたほうが良いでしょう。

おすすめ料理例

・ポトフ

・チーズフォンデュ

・アサリときのこ類のクリーム煮

・鱈と白菜の昆布蒸し

  • おすすめワイン
  • ・コノスル レゼルバ・エスペシャル シャルドネ(Cono Sur Reserva Especial Chardonnay)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・オー・ボン・クリマ ヒルデガード(Au Bon Climat Hildegard)

ロゼワインの場合

マリネ
ポイント

タイプに合わせて調整を。はっきりした塩味や酸味なら合わせやすいはず。

赤・白両方の特徴を持つロゼワインですが、一般的に薄めの色ならしっかりめの白ワイン、濃いめの色なら軽めの赤ワインに近い特徴を持っています。そのため、合わせる料理も近いタイプのワインを参考にすると失敗がないといえます。

もちろん、見た目だけでなく、少し飲んでみて味や香りをチェックしてみれば、さらに確実です。白ワインに近いな、と思ったら旨みのしっかりしたシンプルな料理、赤ワインに近いなと思ったら脂や酸の強すぎない肉や魚、という風に選びましょう。

また、一般的にはシンプルな素材・味付けで、比較的はっきり塩味や酸味が感じられるように調理したものが合うとされています。魚介類や野菜のマリネ、フリット、カルパッチョなどはいかがでしょうか。

逆に、えぐみのつよい野菜や生野菜、脂っこすぎる肉・魚、強すぎるスパイス・ハーブなどは避けたほうが良いでしょう。

  • おすすめワイン
  • ・カッシェロ デル ディアブロ ロゼ(Casillero del Diablo Rose)

辛口スパークリングワインの場合

シュリンプカクテル
ポイント

なんにでも合わせやすいけど、特にしょっぱいものやこってり系との相性抜群!

甘さをほとんど、もしくはまったく感じない辛口のスパークリングワインには、塩味の強い料理やこってりとした料理が良く合います。

本来、辛口スパークリングワインはワイン全体の中で見ても対応力が高く、合わせられる料理の幅が広いお酒であるといえます。味付けの濃いものも薄いものも、脂っこい食材もあっさりした食材も、酸味・甘味・苦味・渋味などどの方向性の食べ物にも適応し、ものによっては果物やスイーツ、生の魚介類とすらマッチするケースもあります。

しかし、その中でもしょっぱい・脂っぽい・コクのある料理は、炭酸の刺激と相性が良いという意味で特におすすめの組み合わせです。濃いめのソースをかけたハンバーグ、旬の食材のフリット、クリームやバターを多用した料理など、ガッツリ系の料理を合わせてみてください。

生の野菜だけはちょっとあわせづらいですが、えぐみがあまりない野菜で、クリーム系やチーズ系のドレッシングとなら、試してみる価値はあるかも知れません。

おすすめ料理例

・シュリンプカクテル

・鶏肉のクリーム煮

・ソーセージソテー

・山菜の天ぷら

  • おすすめワイン
  • ・ドン・ロメロ カバ ブリュット(Don Romero Cava Brut)
  • ちょっとリッチなおすすめワイン
  • ・クレマン・クリュール クレマン・ダルザス ブリュット キュヴェ・マネキネコ(Clément Klur Crémant d'Alsace Brut Cuvée Manekineko)

甘口スパークリングワインの場合

モッツァレラと生ハムのサラダ
ポイント

チーズやハム、デザートなどとの相性が良好。氷をたっぷり入れてジュースのように飲むのも良いかも。

単体で飲むことも多い甘口スパークリングワインは、クリーム系・フレッシュタイプのチーズや、わずかに塩味のついたハムなどとあわせてみましょう。一言で甘口と言っても、辛口との境界線上にあるような中甘口から、ごくごくとは飲めないほどの極甘口まで様々ありますが、料理と合わせるのであれば辛口寄りのほうがはまりやすいはず。ピンチョスやカナッペなど、軽食になるようなメニューには自然とマッチするものが多いかもしれません。

また、ロックアイスやクラッシュアイスをグラスにたっぷり入れ、炭酸ジュースのようにして飲むのもおすすめ。甘さもアルコールも薄まるので、スナックや濃いめの料理とも合わせられるようになります。

また、甘口スパークリングはスイーツとともにデザートとして楽しむこともできます。クリームやはちみつ、バターなどを使用し、甘さをワインと合わせるようにするとうまく組み合わせられますよ。お互いの長所を打ち消しあってしまうので、生臭いものや塩味が強すぎるものは避けましょう。

おすすめ料理例

・モッツァレラチーズと生ハムのサラダ

・魚介類とクリームチーズのカナッペ

・いちごのババロア

・かりかりフレンチトースト

  • おすすめワイン
  • ・おたるナイヤガラ スパークリング
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