世界的高級酒 シャンパンってスパークリングワインとどう違うの?
記事の目次
スパークリングワインとシャンパンの違い
スパークリングワインとは、炭酸ガスを含むワイン全般を指す言葉です。
そして、シャンパン(シャンパーニュ)は、
- ・フランス・シャンパーニュ地方の指定された地域で造られていること
- ・決まった種類のブドウを使っていること
- ・「シャンパーニュ(トラディッショナル)製法で造られていること
などの条件を満たしたスパークリングワインのことを指します。
つまり、「シャンパンはスパークリングワインの一種」なのです。
- 関連記事:シャンパンってどんなワイン?
シャンパンについて詳しく知りたい方はこちら
スパークリングワインは炭酸ガスを含んだワインのこと
スパークリングワインは、主に発酵によって発生する炭酸ガスを利用します。
糖分を分解してアルコールを作り出す酵母菌は、その副産物として二酸化炭素も発生させます。
普通のワイン(スティルワイン)の場合は、開放状態で発酵させるので二酸化炭素は全て空気中へ逃げていきます。
それに対してスパークリングワインの場合は、瓶やタンクなど密閉された空間で発酵させることで二酸化炭素の逃げ場をなくし、ワイン中に留めているのです。
ちなみに、スティルワインに直接ガスを吹き込んで造るタイプのスパークリングワインも、安価な製品の中には存在します。
シャンパンとはフランスの産地・製法限定のワイン
シャンパン(シャンパーニュ)は、その名の通りシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインですが、シャンパーニュ地方産全てがそう呼べるわけではありません。
「シャンパン」という名称はワイン法で保護されており、原料となるブドウの品種や栽培地、醸造方法、熟成期間など、様々な厳しい条件をクリアしなければ使うことができません。
シャンパーニュ地方はシャルドネやピノ・ノワールなどシャンパン用のブドウ品種の栽培に非常に適した土地で、定められた造り方も手間隙がかかる分高品質なスパークリングワインを生み出すものになっています。
そのため、「シャンパン」という名前を使っている時点で、一定以上の品質を持っていることが保証されるのです。
世界中で様々なスパークリングワインが造られている現代においても、シャンパンは世界最高のスパークリングワインのひとつであり続けています。
- ・ポワルヴェール ジャック シャンパーニュ ブリュット(Poilvert Jacques Champagne Brut)
- ・ペリエ・ジュエ グラン・ブリュット(Perrier-Jouet Grand Brut)
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シャンパン以外のスパークリングワイン
世界にはシャンパン以外のいろいろなスパークリングワインがあります。
そもそも「スパークリングワイン全般」を指す言葉も、フランスでは「ムスー」、ドイツでは「ゼクト」、スペインでは「エスプモーソ」、イタリアでは「スプマンテ」とそれぞれ異なっています。
そして、「シャンパン」のように造り方や産地が限定される高級スパークリングワインも、国や産地ごとに様々なものがあります。
代表的なカテゴリーを幾つか見てみましょう。
クレマン
フランスのシャンパーニュ地方以外で、シャンパンと同じ手法で造られるスパークリングワインです。
現在7つの地域で造られていて、それぞれが産地の名前付き(例えばボルドー地方のものは「クレマン・ド・ボルドー」という形)で呼ばれます。
造り方や原料の条件の厳しさはシャンパンと同じくらいなので、こちらもかなり高品質なスパークリングワインに含まれます。
しかし、知名度やイメージの関係で価格は控えめなものが多く、「シャンパンは飲んでみたいけどちょっと高い」と悩んでいる方にはおすすめのワインといえます。
- ・ドメーヌ・ジ・ロレンス クレマン・ド・リムー レ・グレムノス(Cremant de Limoux Les Graimenous)
- ・ニコラ・ルジェ クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブリュット(Nicolas Rouget Cremant De Bourgogne Brut)
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プロセッコ
イタリアのヴェネト州で造られるスパークリングワインです。
シャンパンとはちょっと違う手法で造られますが、こちらもかなり手間のかかる高品質なワインです。
コクありのしっかりしたタイプが多く、価格はシャンパンよりも控えめ。
イタリアのワインが好みという方には非常に魅力的なスパークリングワインです。
- ・ガヴィット ルネッタ プロセッコ ブリュット(Ca'vit Lunetta Prosecco Brut)
- ・マルスーレ プロセッコ ヴァルドビアーデネ スペリオーレ カルティッツェ ブリュット(Marsuret Prosecco Vardobbiadene Superiore Cartizze Brut)
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ランブルスコ
イタリアのエミリア・ロマーニャ州で造られるスパークリングワインで、珍しいことに「赤のスパークリング」です。
基本的に甘口ですいすい飲める軽さが特徴。
ジュースのように飲めてしまうことから、20世紀にはアメリカで「レッドコーク」と呼ばれ大ヒットしたこともありました。
近年は品質も全体的に向上してきているようなので、甘くて飲みやすいスパークリングワインを探している方は試してみる価値があるワインと言えそうです。
- ・フォルミージネ・ペデモンターナ ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ ロッソ・フォスコ(Formigine Pedemontana Lambrusco Grasparossa Di Castelvetro Rosso Fosco Secco)
- ・カビッキオーリ ランブルスコ アンセストラル(Cavicchioli Lambrusco Ancestrale)
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カバ
スペインの指定地域で、シャンパンと同じ手法で造られるスパークリングワインです。
ヨーロッパの特定名称のワインの中では珍しく、産地として指定されている地域がスペイン中に100箇所以上あり、同じ「カバ」でも産地ごとにちょっとずつ違う特徴を持っています。
価格はシャンパンと同じ製法のスパークリングワインの中でも特にお手頃なものになっているので、品質に比べて気軽に試せるのがメリットです。
- ・モンサラ カバ ブリュット (Montsarra Cava Brut)
- ・カステルロッチ カヴァ ブリュット・ナチュレ グラン・レセルバ(Castellroig Cava Brut Nature Gran Reserva)
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