オーストラリアの白ワインの特徴 程よい酸味と大らかな爽やかさ
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オーストラリアの白ワインの特徴
様々な環境の地域がありワインの特徴も多彩
広大で変化に富む国土を持つオーストラリアでは、産地ごとに気候や地形などの環境が大きく異なり、それに合わせて白ワインの特徴も多彩です。
オーストラリアの国土面積は約770万平方キロメートルで、これは世界総陸地面積の約5%、日本の約20倍の広さです。
そのため、同じオーストラリアのワイン産地といっても、山地や平地、丘陵地など様々な地形があり、気候も雨の多さや温暖・寒冷など非常にバリエーション豊か。
ブドウの性質に大きな影響を与える環境条件(テロワール)が、産地ごとにまったく異なります。
近年では、それぞれの環境にあった品種を栽培するようになってきているため、産地ごとの特色が強く出るだけでなく、品質も向上してきています。
- ブドウの育つ環境(テロワール)がワインに与える影響について詳しく知りたい方はこちら
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平均的には果実味豊かで濃い味わいや香りが中心
地域ごと・生産者ごとの差はあるものの、平均的にはたっぷりとした果実味が楽しめる味わい深い白ワインが中心となっています。
標高の高い地域や、南極から吹く風の影響を受けるタスマニア州などの例外はあるものの、オーストラリアのワイン産地の気候は基本的に温暖です。
そのため、ブドウの熟成や成分の増強が進み、ワインも味や香りが強いものになりやすい環境と言えるのです。
また、白ワイン用のブドウ品種として最も多く使用されているシャルドネやリースリングは、環境によって性質が大きく変わるブドウです。
これらの品種は、オーストラリアのような温暖な気候では、果実味が豊かで南国フルーツを思わせるまろやかな酸味を持つようになります。
刺激的な酸味の白ワインがあまり得意でない、という方にぜひ試してみていただきたい産地だといえるでしょう。
高い水準とお手頃な価格
オーストラリアはヨーロッパのワイン生産国に比べると、品質の水準の高さに対してお手頃な価格のワインが多い国です。
ワイン造りのスタートが18世紀末のいわゆる「新世界」に分類されるオーストラリアでは、20世紀後半までどちらかというと「質より量」の方針が一般的でした。
しかし、世界的な需要の変化などから品質重視に舵を切った現在、国際的にも高い評価を得ている銘柄も少なくありません。
品質は十分な高水準にあるにもかかわらず、カジュアルなイメージが残っているため過剰なブランド化が進まず、結果としてコストパフォーマンスが非常に良い状態になっているのです。
また、オーストラリアは紙パックやスクリューキャップなど、ワインに関する新しい容器や技術を率先して導入する産地としても知られています。
これによりコストを抑えたワイン造りが可能となり、製品自体の価格も比較的低めになっています。
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オーストラリアの白ワインに使用されるブドウ品種
シャルドネ(Chardonnay)
現在、オーストラリアでもっとも重要な白ブドウ品種です。
産地の環境(テロワール)によって特徴が大きく変わるという性質を持っており、基本的に温暖なオーストラリアでは果実味豊かで酸味が柔らかなタイプが一般的です。
また、樽熟成を行わないワイナリーが多いため、他の産地に比べるとすっきりとシンプルな飲み口に仕上がった銘柄が多くなっています。
ただ、オーストラリアは国土が広く、産地ごとに環境の違いも大きいため、地域によってタイプの違う白ワインになっていることも少なくありません。
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- ・デ・ボルトリ ディービー シングルヴァラエタル ワインメーカーズセレクション シャルドネ(De Bortoli DB Single Varietal Winemaker's Selection Chardonnay)
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- ・カンガリーラ・ロード・ワイナリー シャルドネ(Kangarilla Road Chardonnay)
リースリング(Riesling)
輸出用というよりはオーストラリア国内で人気の白ブドウです。
20世紀末まではもっとも栽培面積が広い重要品種でしたが、現在は他の主要品種に追い抜かれ縮小傾向にあります。
シャルドネと同じく育った環境を強く反映する品種ですが、温暖な気候ではやや複雑味にかける大味なワインになることもあり、廉価なものには注意が必要なこともあります。
基本的に樽熟成を行わない、すっきりシンプルなタイプが中心です。
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- ・ローガン・ワインズ ウィマーラ リースリング(Logan Wines Weemala Riesling)
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- ・フォレスト・ヒル ブロック1 リースリング(Forest Hill Block 1 Riesling)
セミヨン(Sémillon)
オーストラリアの白ワイン一大産地である「ハンター・ヴァレー」の主要品種です。
辛口で軽い口当たりの白ワインになります。
糖度が上がりやすい反面酸味に欠けるため、オーストラリア以外の地域では基本的にブレンド用として使用されたり、貴腐ワインなどの甘口ワイン用の原料となっています。
- おすすめワイン
- ・ウインダム・エステート BIN777(Wyndham Estate BIN777)
ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon blanc)
独特の香りと印象的な酸味を特徴とする白ブドウです。
醸造に失敗するとピーマンのような青臭さが出てしまうため、かつてはあまり人気のある品種ではありませんでした。
しかし、醸造技術や設備の発展により弱点を克服できたことから、近年徐々に栽培面積を増やしつつある品種となっています。
上質なものは、南国フルーツのような酸味と甘い香りを持ちます。
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- ・リンカーン・エステイト・ワインズ サシミ ソーヴィニヨン・ブラン(Lincoln Estate WinesSashimi Sauvignon Blanc)